切なさの距離~友達以上、恋人未満~





「ゆかわぁ…!」


山ちゃんが半分泣きそうな顔で湯川の背中を叩いている。

湯川は苦笑い。



「よくやった!

と、いうかうちの学校に来てくれてありがとな!」


バシバシと背中を叩き続ける山ちゃん。

さすがにちょっと可哀想だ。




「ありがとうございます」

湯川はチラッとあたしを見た。


あたしはニヤッと笑う。

さて、アップに行ってこようかな。


盛り上がってるうちの学校のメンバーをよそに立ち上がった。


1人で体操、柔軟、ダッシュを行う。



30分後にはあたしもああやって湯川みたいにみんなに囲まれてられるのかな。




「日向」


振り向かなくても分かる。

もう聞き慣れた。




「優勝、おめでとう。

それと早くも全国大会行きのチケット獲得もおめでと。


さすがだね、湯川」



振り向くと案の定、そこには湯川がいた。








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