切なさの距離~友達以上、恋人未満~





「もしあのとき、お前が叫ばなかったら俺、2位になってたかもな」


花壇に座る湯川。



「普通に思い出すところだった。

1年のときのこと。


でも日向がバカみたいなデカイ声で叫んでくれたおかげで助かった。

気合いも入ったしな」



湯川はクククッと笑っている。


バカみたいなデカイ声なんて失礼な。

まあ確かに自分でも声張りすぎたかな、とは思ったけど。




「今のグラウンドの状況、一応伝えとく。


とりあえず熱気がヤバイ。

最初からとばして走るのはオススメしない。


絶対ラストでスパートかけたほうがいい。


お前なら、絶対1位獲れるから」


そんな真剣な顔で言われると照れる。



あたしはわざと湯川から視線を逸らし



「分かった。

あたしの活躍、目に焼き付けといて」


と、強気な発言をした。








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