切なさの距離~友達以上、恋人未満~




【パーン】


ピストルが鳴る。

アキがスタートした。


アキを含め、4人の走者が1位を争っていた。

少し、アキが遅れる。


それでもまだアキは諦めず、遅れた分を取り戻す。





「……………アイツ…っ」


何やってんだよ。

それじゃ、日向…余計に悲しむだろ。


自分の責任だ、って責めちゃうだろ。



アキの結果は3位

全国大会へは行けないワケだ。



俺は階段を下りてアキと増川の帰りを待った。


さっき、高跳びのほうを見たらもう増川の姿がなかったからきっとここにいれば2人は来るはずだ。




俺の予想通り2人は肩を寄せ合い、現れた。


アキは顔を伏せ、両手で覆っている。

増川はそんなアキの肩を抱いている。




「………お疲れ」


気の利いた言葉なんて何も、思い浮かばなかった。








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