切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「お前なぁ…」
なぜか山本はまいった…みたいな顔をしている。
「今から車とって来るから待ってろ。
俺が家まで送る。」
そう言って出ていこうとした山本を引き留める。
「日向…どうして倒れたんですか」
「あぁ」
と思い出したように呟く山本。
「脱水症状だ。
それで倒れたらしい。
点滴打って2、3日入院すれば回復するらしい。
じゃ、行くから。
お前はそこにいろよ」
山本は病室を出て行った。
俺はベットのすぐ横にあったイスに座った。
日向は気持ちよさそうに寝息をたてている。
コイツ…意識失ってたけど、分かってるのだろうか。
自分が3位だった、ってこと。
日向がゴールしたとき正直どっちが2位でどっちが3位か目では分からなかった。
でも、審査の結果、わずかに日向はゴールが遅れ3位になってしまった。
もし今、起きたら俺は…日向になんて伝えればいいんだろう。