切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「そっかぁ…
あたし、なんかわる…「日向」
俺は日向の言葉を遮った。
どうせ、コイツのことだ。
『あたし、なんか悪いことしちゃったな…』
とでも言おうとしたに決まってる。
そんな言葉、聞きたくなかった。
だから遮った。
「………お前、脱水症状で倒れたんだって」
次に言う言葉が見つからず、とりあえず言った。
「うん、なんとなくそんな気がしてた」
日向はそう言って目を開け、ふっと微笑んだ。
でも、あまりにぎこちない笑顔で見ているのが辛かった。
「2、3日入院すれば回復するって」
「うん」
ここで会話が途切れた。
何を話せばいいか、何も思い浮かばない。
いや、浮かんではいる。
でも大会の話は…どうしても避けたい。
全国大会へ行けない、ってことを伝えるのは日向がもっと元気になってからでも遅くないだろう。
そう、思ったからだ。
でも沈黙を、日向が破った。
「あたし…負けたんだよね…」