切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「あたし…3位、だったんだよね…」
日向はまた、目を閉じる。
そして俺に背を向けた。
「湯川…気遣ってくれてありがと。
でも」
そこで日向はふぅ、と1つ大きな深呼吸をした。
「でもね、湯川。
そういう優しさって…痛いよ。
練習、頑張ってね。」
日向がそう言ったと同時にドアが開いた。
山本と日向のお母さんが並んではいってくる。
「湧井?!目、覚めたのか!?」
山本は嬉しそうに笑っている。
俺は立ち上がり、日向のお母さんに頭を下げ、病室を出た。
アイツ…なんだよ、さっきの言葉。
『そういう優しさって痛いよ』
って。
どういう意味なんだよ…
待合室のイスに座った。
日向…言葉の意味、教えてくれよ…