切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「湯川、行くぞ」
それから少しすると肩を叩かれる。
「……あ、はい」
声をかけてきたのは山本だった。
黙って後ろを歩く。
着いたのは白い乗用車の前。
「早く乗れよ」
助手席に乗り込む。
「すみません。
お願いします」
シートベルトを締める。
「これ、やるよ。
優勝祝いな。」
山本は袋からスポーツドリンクを取り出し、差し出した。
「…ありがとうございます」
それを受け取り、額にあてる。
スポーツドリンクの冷たさが、気持ちよかった。
「じゃ、行くか」