切なさの距離~友達以上、恋人未満~
サポート【Hinata】
「何やってんだろ…あたし」
誰もいなくなった病室で呟いた。
湯川も、山ちゃんも、お母さんも帰った。
と、いうかもう10時だし。
本当なら、
あたしが倒れなかったら、
こんなところにはいなくて、
きっと家族みんなで焼き肉でも食べて
『3年連続県1位おめでとー』
ってなってるのに。
なんであたしは…点滴されてベットに寝転がってなくちゃいけないの?
寝返りを打つ。
それにあたし…もうワケ分かんなくなって湯川にヒドイこと、言っちゃったし。
そういう優しさってたまに痛いよ、
なんてあたし、何言っちゃってんだろ。
湯川には、感謝しなくちゃいけないのに。
倒れて、運ばれるあたしに1番最初に駆け寄ってくれたのは湯川だった。
薄れ行く意識の中で、それだけは分かったんだ。
でも、声を出すのは辛すぎてできなかった。
あたしが、言わなきゃいけなかったのは、
あたしが、本当に伝えなきゃいけなかったのは、
『ありがとう』
ってことなのに。
なんであたしはあんなこと、言っちゃったんだろう。