切なさの距離~友達以上、恋人未満~





それから泣き疲れていつの間にかあたしは眠っていた。


朝、鏡を見ると目は腫れぼったく、少し充血気味で。

でも隠そうとは思わなかった。


なんだか全てのことがめんどくさく思えたから。




「おはよ」

9時過ぎにお母さんが来た。


あたしの顔を見ると一瞬驚いたようだが何事もなかったような顔で着替えを置いて行った。


湯川と同じだ。


あたしに遠慮して、気なんて遣って

何も言わない。


それが優しさだと思ってる。


確かに、それも優しさかもしれない。



けど…違う。


どうせなら

「お前は負けたんだ。」

そうはっきり言ってほしかった。



「日向、倒れたのは自分のせいでしょ。

いつまでの泣いてるの。」

そう目を見て言ってほしかった。



これはあたしのワガママ…なのかな?


でも、気を遣って優しくされるより、このほうがよっぽどマシ。







< 199 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop