切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「明日…大会なんでしょ」
「え…うん」
「だから…」
「うん」
言葉につまる。
急に言葉以外のものが溢れてきて、
アパートの階段に無数の跡つける。
「ごめん…ごめん、湯川」
涙と共に素直な気持ちが溢れた。
「ヒドイことばっかり…言ってごめん。
ホントはあんなこと…言うつもりじゃ…なかったんだ…」
「うん、分かってる」
「え?」
涙はいっこうに止まる気配を見せず、ひたすらに流れ続ける。
「何もかも、イヤになったんだろ。
俺も怪我したとき、そうだったから。
だから気にしてないよ、俺は。」
その湯川の言葉が胸に染みて、余計に涙が増した。