切なさの距離~友達以上、恋人未満~
驚きすぎて声が出なかった。
なんで?
この間まであんなに仲良かったのに。
あたしが知らない間に、何があったの?
聞きたいことはたくさんあった。
でも、アキの顔を見ていたら何も聞けなかった。
空を見上げたまま、悲しそうに笑っているアキの顔を見ていたら。
「ま、気にしないでよ。
今はまだ普通に夢大と話せないと思うけど、そのうち友達に戻れると思うからさ!」
そう言ったアキは笑顔。だけど…
でもあたしには分かる。
いつもとは違う無理矢理作った笑顔。
「あんまり無理しないでよ、アキ」
あたしはアキの背中を叩き、走り出した。
アキは
「日向のくせに偉そうなこと言うんじゃなーい」
と、あたしに失礼なことを叫びながらあたしの横を走る。
「あれ?日向?アキ?」