切なさの距離~友達以上、恋人未満~
9月上旬。
8月に比べればだいぶマシだがそれでも暑い。
夜だと蒸し暑いからタチが悪い。
「そうだ!
今日のお礼にアイスおごるよ!」
コンビニの前で日向が立ち止まる。
「いいよ、別に。
それに早く帰らないとお母さんに叱られるぞ?」
日向はいいのいいの、と言いながらコンビニの入り口へ近づいていく。
仕方なくあとを追いかける俺。
「お母さん、湯川のこと気に入ってるみたいだから。
電話したとき湯川の家にいる、って言ったらじゃあ特別に9時まで門限延ばしてあげる、って言ってたし。
病院で会った湯川にいい印象持ってるみたい。」
日向はそう言いながら手動のドアを開ける。
病院で会った、って言ってもほんの数分だぞ?
なのにいい印象…って。
よく分からない。