切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「じゃ、また明日」
片手をあげ、日向に背を向ける。
今は日向の家の前。
「うん、また」
俺は片手を降ろす。
「………湯川!」
声が聞こえ、足を止めて振り返る。
「ホントにありがと!
湯川がいなかったら、あたし今ごろ泣いてたかもしれない!
マジで助かった!!」
「………おう」
日向に聞こえるか聞こえないかの返事。
とにかくそんなお礼を言われるとさすがに照れる。
「明日、学校でね~!!」
きっとアイツ、俺に手振ってんだろうな。
見なくても感じた。
なんで俺…日向のこと、分かってんだろう。
まだ半年も一緒に過ごしてないのに。