切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「…ねぇ、日向」
「……なに?」
「なんかさ」
アキは声をひそめる。
そして言った。
「貴斗とケンカでもした?」
「はぃぃぃぃぃ?!?!」
思わず大きい声で叫んでしまった。
「日向、うるさい。
鼓膜破れちゃうから」
耳を押さえるアキ。
「あ、うん、ごめん
ってか!」
「ほら、声、声」
アキに言われ、また声が大きくなっていることに気がついた。
慌ててボリュームを落とす。
「なんで?
なんでケンカ?」
「いや?なんとなく?」
なんで?!
なんでなんとなくでケンカしてる、って分かったの?!