切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「あ、あの…委員会の連絡とかしたいし…」
だんだん小さくなる女の子の声。
そりゃあ声が小さくもなるよ。
連絡先聞いて、なんで?って聞き返されれば。
「あ、そういうことね、いいよ。
ちょっと待って。」
そんな湯川の言葉にあたしはゆっくりと頭を上げた。
目の前では2人が携帯を触っている。
ってうちの学校、授業中は電源を切りましょうって決まりじゃん。
と、思いながらもあたしだって当たり前に電源はつけてる。
あたしは机の上に重ねた手の上にアゴをのせ、下から思い切り湯川を睨む。
なんでこんなことをしたのかはあたし自身にも分からない。
「ありがとね!じゃあまた!!」
女の子は元気に教室を出て行く。
「あんさ、」
湯川の目があたしを捕らえる。
「その目、何?」
あたしの顔を指さす湯川。
「別に。」
素っ気なく答えるあたし。
「何?文句でもあった?」