切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「3年5組 湯川貴斗
至急職員室山本まで来るように~」
突然の校内放送。
そしてなぜか呼び出しをくらう俺。
「湯川…あんた、何やったの?」
日向はそう言いながらおもしろそうと言わんばかりの顔で俺を見る。
「別に。
なんもしてねぇーよ」
そう言いながら立ち上がる。
「そうよ、日向。
貴斗が悪いことするように見える?」
すかさずアキのフォローがはいる。
「アキ、お前はホントにいいヤツだな」
俺はニヤッと笑い、2人に背を向ける。
そして職員室へ向かう。
後ろで
「湯川なんて怒られちゃえー」
とか
「ばーか、ばーか」
とか聞こえた気がした。