切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「ずっと別れたこと後悔してた。
なんであんなことで別れたんだろう、って。
あのときよりずっと好き…なんだ。
今さらって思うかもしれない。
でも、考えて欲しい。
俺とやり直すこと。」
俯いた顔を最後まで上げることができなかった。
不安で押しつぶされそうな胸。
今にも足の力が抜けて地面にヘナヘナと座り込んでしまいそうだった。
「……あたしたち」
アキが黙っていたのはきっと数秒のことだっただろう。
でも俺には数分のように感じられた。
「あたしたち…また、やり直せるのかなぁ」
その言葉に上げることのできなかった顔を上げた。
「また…前みたいに一緒にいられるのかなぁ」
アキは俯いていた。
地面に涙の跡がついている。
その数は段々と増えていく。
「なんでだろ…
涙が…止まんない」
そう言って顔を上げたアキは泣いているのに笑顔だった。