切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「あたしも…後悔、してたんだ。
夢大と別れたこと。」
アキは立ち上がると俺の肩に額をつける。
「夢大と別れたって理解してるはずなのにいつも携帯チェックするあたしがいてさ。
そんな自分がイヤだった」
ゆっくりとアキの背中に手を回す。
「あたしだって…あのときよりずっと…夢大が好き」
それ以上の言葉はいらなかった。
これで十分。
俺の心は満たされて行く。
「ごめん…夢大。
それと…ありがとう。」
顔を上げたアキはふっと俺に微笑む。
よかった。
この笑顔が俺のもとへ帰って来た。
「もう絶対、別れようなんて言わないからな」
「頼んだよ」
そんなことを言いながら顔を見合わせ笑っていた。
そうだ。
俺はこの時間がたまらなく好きだったんだ。
貴斗。
俺は頑張ったぞ。
だからお前も頑張れ。
逃げてばかりいないで自分のキモチとちゃんと向き合え。
そんでもって、伝えろよ。
その胸に秘めた想いを。
お前が俺を応援してくれていたように
俺だってお前を応援してるんだから。