切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「湧井、増川、細田
合格…おめでとう!!」
あの日から数ヶ月が経った。
もう季節は冬。
シトシトと雪が降るある日のことだった。
「「「やったぁー!」」」
3人の声がそろう。
目の前にいる山ちゃんは嬉しそうに目を細めている。
今日は高校の合格発表の日だった。
見事、全員そろって合格。
「貴斗に感謝しないとなぁ…」
夢大はそう呟いている。
『貴斗』
どうしてだろう。
アイツの名前を耳にするたびに胸の奥がチクチクと痛み出す。
「もうすぐ卒業式だな。
ちゃんと練習して、高校入ったときに体がなまってないようにしろよ」
「「「はいっ!!」」」
山ちゃんの言葉に3人で同時に返事をした。