切なさの距離~友達以上、恋人未満~





「貴斗は…合格、したんかなぁ…」


そんな夢大の呟きにも胸の傷は痛む。




「…夢大!」


アキはそんなあたしを見かねて夢大に注意している。




「アキ、いいよ。


そりゃあ湯川とはあれ以来、1度も話してないけど

もう気にしてないから。


全然、へっちゃらだから。」



もう気にしてない…?

全然、へっちゃら…?


いつからあたしはこんな平気な顔をしてウソをつけるようになったのだろう。


自分でもビックリするほど、いつもの口調で言うことができた。




「ひなた…」


アキから送られてくるその心配そうな視線がイヤだった。


大丈夫なのに。

いや、本当は大丈夫なように見せかけているだけ。



本当は湯川の姿を見るだけで、

胸が鷲づかみにされたように苦しくなる。


けど、そんなこと言えないよ。


あの日



「湯川なんてどっかいっちゃえばいい」


そう言ったのはあたしのほうなんだから…









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