切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「日向が言い寄られてんの?」
「なにその言い方。
あたしが言い寄られてるのがおかしい?」
日向からの視線が痛い。
別にそういうつもりじゃなかったんだけど。
だって日向、可愛い顔してるほうだと思うし。
ま、こんなこと口には出さないけど。
「で、困ってんだ?」
「まあ…ね。」
日向の走るスピードは苦ではなく、すごく楽で、気持ちよかった。
「皆川、あたしだけに声かけてるワケじゃないの。
他の学校にもキープっていうか、
彼女っていうか…
よく知らないけど、自分はモテるって調子乗ってんの」
「…………サイテーだな」
女の子をそんなふうに扱うなんて。
同じ男として軽蔑する。
「でしょ?
よかった、湯川に分かってもらえて」
日向は俺の方を向き、ニコッと笑った。