切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「ま、キモチ次第だろ」
「え?」
反射的に聞き返す。
「だから、キモチ次第だって。
相手のこと、好きなら、信じられんなら、距離なんて関係ないだろ。
たとえ、飛行機でしか会えない距離でも、な。」
そう言った湯川の横顔は格好良くて。
同い年なはずなのに、湯川が大人に見えて。
それが悔しくて。
「カッコつけちゃって」
なんて憎まれ口を叩いた。
「うっせ。
じゃ、俺帰るわ。
明日な」
湯川は片手をあげ、去って行く。
その後ろ姿やっぱり、格好良く。
ってあたし…何湯川にカッコイイって何回も思ちゃってるワケ?
今日は動きすぎたのかなぁ。
そのせいで頭、イちゃってるのかも。
ドンマイ、あたし。
そんなことを思い、1人でふっと笑った。