切なさの距離~友達以上、恋人未満~
ふと、思い出す。
裕実に告白されたときのことを。
●○●○
『たーかとっ!
お前、裕実に呼び出されたらしいじゃん』
今よりも少し、幼い俺。
今から約1年前、中2の最初。
『う、うっせぇー』
まだ俺は子どもで。
照れ隠しなんて芸当、身につけていなかった。
『まあせいぜい、頑張って来いよ』
友達は俺の肩にパンチを食らわせ、どこかへ行ってしまう。
そして俺は階段を昇り、4階へ向かった。
裕実に言われたんだ。
『授業が終わったら音楽室の前に来てほしい』
って。