切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「湯川はさ、高校生になっても陸上続ける?」
席に着き、中身の入っていない鞄を机の横にかけた。
「さぁ?分かんねぇ。
まだ先の話だろ。
それに俺は高校のこと考えんの、最後の大会終わってからって決めてるから」
「そうなんだ」
確かに、まだ先だよね。
今は受験より陸上。
中学最後の大会に向けて部活に集中しなきゃいけない。
「日向は?陸上、続けんの?」
湯川はこっちを見ようとはせず、頬杖をつきながら聞いてきた。
「あたしも分からない。
受験って実感もなければ、中3って実感も全くないから」
そう言うと湯川はふっと笑った。
「俺もそうかも」
そう答えた湯川は机に寝そべる。
寝不足かな?