切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「んだよ?日向」
聞こえてきたのはものすごく機嫌の悪そうな声。
「もう授業、始まる」
そう言ってるのにまた寝ようとした湯川。
「そんなに眠い?
ゲームでもやって夜更かししたの?」
「そんなんじゃねぇ」
だと思ったよ。
一応言っただけ。
湯川、ゲームとかまったく興味なさそうだし。
「小説読み始めたら止まらなくなって気づいたら3時だった」
え?
何?その大人みたいな理由。
小説がマンガだったらまだ分かるよ?
でも小説って…
「本、好きなの?」
「まあ…そこそこ」
うん、ウソだね。
結構好きなんだろうね。
開いた鞄から本が見えてるよ、湯川。