切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「いくらなんでもビックリしすぎでしょ、日向」
アキは呆れたように笑っている。
場所は掲示板前から教室に戻っていた。
「だから行きたくなかったんだよ…」
そんな呟きが聞こえた。
待ってよ。
湯川が1位なんでしょ?
しかも5教科の合計点数が490点?
めちゃくちゃ頭、いいじゃん!
「貴斗がそんなに頭いいとは思わなかった」
夢大がそう言って1人で頷いている。
あたしも、思わなかった。
「俺、寝るから。
話しかけんなよ」
照れてるのか湯川はそう言って机に伏せた。
「ったく、貴斗は未知だわ。
長距離は県2位?
で、容姿端麗、成績優秀?
もうワケ分かんない」
アキは苦笑いでそう呟いたのだった。