切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「湯川ぁ?!
なんでそんな気分が憂鬱になるようなことしか言わないの?!
もうサイアク!!」
おいおい、キレんなよ。
せっかく教えてやったのに。
「いいよね~湯川は!
中間は2位と20点差で1位獲ちゃってさ!
期末だろうがなんだろうが関係ない、って感じじゃん」
すっげぇー嫌味、言われてんのか?俺。
「あ~ぁ…あたしも湯川みたいに頭、良くなりたいなぁ…」
日向はそう言って窓の方に顔を向けた。
「勉強、教えてやろうか?」
気づいたときには遅くて。
おい、口。
俺の気持ち無視して勝手に喋んな。
「え?!ホントに?!
ぜひ!ぜひお願いします!」
日向はホントに嬉しそうで。
単純だな、なんて思った。