切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「貴斗ってもしかして鈍い?」
アキは俺のことを指さす。
「え?分かんねぇ」
鈍い…のか、俺?
「あたし、口悪いし、性格捻くれてるし、暴走すると止まらないしで、友達少ないんだよね。
しかも学年1人気の夢大が彼氏だし。
だから、イジメられるとしたらあたし。
だいたい日向があたしの友達でいることがビックリなんだよね。
日向は友達いっぱいいるのになぜかあたしと一緒にいるし。
まあとにかく、日向は友達多いからイジメられることはないと思う」
アキはそう言ってまた夢大と戯れだした。
ふーん。
そうだったんだ。
俺、全然気づかなかった。
そういうの疎いのか?
「あ、日向」
そこへ日向が帰って来て。
なぜか顔はキレ気味で。
「なんか言われたのか?」
と、知らないうちに聞いていた。