切なさの距離~友達以上、恋人未満~






「中学生ってつまんなくない?」


さっきからついて行けない。

日向はひたすら1人で喋っている。


取りあえず相づちだけは打っておく。




「高校生だったら、バイトとかして~

彼氏作って~とかできるじゃん?」



「別に彼氏作んのは今からでもできることじゃね?」


と、いうと日向がまた燃え始めた。


しまった…スイッチ入れちゃったか。



「無理!できない!

好きな人もいないあたしに彼氏なんてできないでしょ!」



「でも日向、モテるんだろ?」


前、増川から聞いた気がする。

日向はめちゃくちゃモテる、って。



「そんなワケないじゃん!

走ることしか取り柄のないあたしを好きになってくれる男子なんていないって!」



それは違うと思うな。

そういう何かに打ち込んでる子って輝いて見えるだろ?


だから、モテんじゃね?やっぱり。


そう思ったがあえて口には出さなかった。


どうせ、日向にキレられるのがオチだって分かってたから。






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