切なさの距離~友達以上、恋人未満~
友達【Hinata】
「…………んにゃ?」
「…………湧井?」
うっすらと目を開けた。
まぶたが重たい。
「……うっ…せんせっ…」
目の前に国語の先生の怖い顔が現れた。
そうだ…今、国語の授業中だった…
「んにゃ?ってなんだ?
湧井、職員室…来るか?」
あたしは思い切り首を横に振った。
「い、いいです!
つつしんでお断りします!」
自分でも何言ってんだろ、って思った。
つつしんで、って堅すぎじゃん。
案の定、クラスからは少しの笑いが起こる。
「そうか。
今回は特別に見逃してやろう。
でも次はないと思え。」
国語の先生はそう言ってあたしに背を向けた。
それと同時にあたしは舌を出す。
べーっだ!
思春期なんだもん。
眠くなっちゃうよーだ!
「………アホ」