切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「なんでイス蹴られなきゃなんねぇんだよ」
不満げな湯川の声。
「本気で落ち込んじゃったでしょ!
ウソなんてつかないでよ!」
知らない間に声が大きくなってて。
「湧井?やっぱり職員室来るか?」
また、先生に睨まれる。
「あ、いや、大丈夫です!」
あたしはアハッと笑って誤魔化す。
湯川め…
あんたのせいでまた怒られたでしょ?
「笑うな!湯川!」
湯川の背中が微かに震えていた。
絶対、笑ってる。
人の不幸をそうも堂々と笑う?
信じらんない!
湯川、思ってるよりずっと意地悪!
ってか、性格が悪い!