切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「やっぱり完璧すぎる男っていうのもどうかと思うんだ」
アキは窓にもたれかかる。
「貴斗、容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群。
どこをとっても完璧でしょ?
だから、嫌われてんの。」
どこをとっても…?
あたしからすれば性格だけは残念だよね。
相当ひねくれてるし。
「貴斗が来るまではさ、モテる男子って何人かはいたワケじゃん。
でも貴斗が来てからはどの女子もみーんな、貴斗一直線でさ。
だから男どもからすれば、それはおもしろくないワケ。
で、貴斗は男子から嫌煙されてるってこと。
分かった?」
「うん」
そうか。
だから湯川はあたしが言ったとき、反論してこなかったんだ。
自分でも分かってたから。
友達がいない、って。