切なさの距離~友達以上、恋人未満~





「やっぱり完璧すぎる男っていうのもどうかと思うんだ」


アキは窓にもたれかかる。



「貴斗、容姿端麗、成績優秀、運動神経抜群。

どこをとっても完璧でしょ?


だから、嫌われてんの。」


どこをとっても…?

あたしからすれば性格だけは残念だよね。


相当ひねくれてるし。




「貴斗が来るまではさ、モテる男子って何人かはいたワケじゃん。

でも貴斗が来てからはどの女子もみーんな、貴斗一直線でさ。


だから男どもからすれば、それはおもしろくないワケ。

で、貴斗は男子から嫌煙されてるってこと。


分かった?」



「うん」


そうか。

だから湯川はあたしが言ったとき、反論してこなかったんだ。


自分でも分かってたから。

友達がいない、って。







< 87 / 313 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop