切なさの距離~友達以上、恋人未満~
「寂しい、って思ってるのは…会いたい、って思ってるのは…あたしだけなのかなぁ…」
裕実は俺の胸の中で呟いた。
「違うよ、違う」
裕実を抱きしめる腕により一層力を込める。
「俺だって裕実に会いたいし声聞きたいって思ってるよ。」
普段なら恥ずかしくて口にできない言葉たち。
でも今はそんなことを言ってる場合じゃない。
裕実の不安を少しでも軽くしてあげること。
それが今、俺に唯一できることだから。
「裕実?顔、あげて?」
俺は裕実から離れる。
「たかと…」
顔を上げた裕実。
涙でぐちゃぐちゃになっていた。
そんな裕実に優しく唇を落とす。
昼間よりもっと優しく、もっと暖かいキス。
「俺のこと、信じられる…?」
コクリと小さく頷いた裕実。
良かった。
それ以外、なんとも表現すればいいのか分からなかった。