お預け中?
決戦前って戦う訳じゃないけれど。

しっかりしなくちゃ。俺。

その前に、運ばれてきたアイスウーロン茶でのどを潤す。

「俺たち知り合いってこの間言ってたよね?」

「覚えていないみたいですね?」

クスリと笑うが、何が可笑しいのか俺にはさっぱり分からない。

小首を傾げ彼女の表情を、薄暗い中でも外すことをしないサングラス越しからうかがっていた。

別にジッと見つめていたい訳ではなく。

それでも、凝視してしまうくらい見てるのは彼女の表情から何か感じ取れないのかと思って。

けど、無駄な努力のようで。

はっきり言って何を考えているのか分からない。

だからなのか。

目の前に居るこの女優が怖い。
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