お預け中?
「私はあなたの事、心から好きです。どうしても手に入れたい」

手に入れたいって。

彼女の強い眼差しに一瞬クラっとした。

彼女の気持ち。

分かるから。

どうにかして好きな子を自分に振り向かせたい。

俺が書く詞にも、そんなフレーズがあるし。

実際、今の彼女を繋ぎとめたくて、時間的に無茶をした事もあったから。

だけど。

「ごめんなさい」

頭を深々と下げた。

気持ちが分かっても「はいそうですか」っていう訳にはいかない。

俺は「物」じゃない。

感情を持った人間だから。

今の俺が大切にしている気持ちは、どんな美女でも壊せない。
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