お預け中?
フリーライターなのだろうか。

どこの出版社の人間か分からない。

スーツは着ているが髪の毛はきちんとセットされていない。どこかだらしなさがうかがえるその記者を見つめた。

一斉にフラッシュがたかれる。

先ほどまで挙手で行われていたどこかおごそかな「質問の時間」というのは無く、記者たちが口々に

「今の話は本当ですか!?」

「事実ですか!?」

「重大発表とはこの事だったんですか!?」

俺を質問攻めにした。

「一言お願いします!!」

事務所関係者と俺を交互に見て戸惑う司会者。

俺の頭の中もパニックになり、マイクを握り締めたまま沢山のフラッシュの光を浴びながら動けずにいた。
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