お預け中?
外灯の薄明かりで俺の大好きな彼女の顔が照らされている。

俺の顔は携帯の青白い光で照らされている。

彼女の大きな目は驚きで更に大きくなり、口は少し開き、胸に抱えた本屋の紙袋をしっかり握りしめている。

ちょっと間抜けなその顔も可愛くて、俺は微笑んだ。

微笑む俺を見て、今度は顔を引きつらせて視線をそらされた。

そして、スタスタと歩き出し、カバンから鍵を取り出す。

俺、変装してたんだ!

おもいっきり不審者じゃん!

慌ててキャップとカツラを外した。

「待って!」

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