お預け中?
玄関を入ってすぐ左側に小さなキッチンがある。

その横を通り過ぎると、8帖ほどの広さの部屋がある。

生活に必要な最低限度の物しか置かれていない。

物が少ないわりには、何となく温かみのある部屋。

小さなキッチンスペースでお茶を入れている彼女の横顔を見つめながら、俺は緊張して突っ立ったままだ。

そんな俺を分かっているのかいないのか・・・全然、こっちを見てくれない。

熱い紅茶を氷の入った背の高いグラスにゆっくり注ぐ。

カランと静かな部屋に響く。

もう一度グラスに氷を入れ、レモンを絞る。

すると俺の大好きなアイスレモンティーの出来上がり。


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