お預け中?
触れたくて
「この間、テレビ局に来てたよね?」

「うん」

「会いに来てくれたの?」

「仕事でテレビ局の近くまで行ったから、会いたくなっちゃって・・・ごめんね・・・」

まゆを下げ不安そうな顔をして、チラッと俺を見る。

「会いに来てくれてマジ嬉しかったよ。けど・・・何かあったの?」

あの物言いたげな顔は忘れられない。

「あ、あのね。急に不安になっちゃって・・・だから・・・」

「あの頃、俺、何かした?」

「え・・・もしかして知らないの?」

小首を傾げ、今度は俺としっかり目を合わせてくれた。

「もしかして俺の事?」

「うん」

「あ!あの噂の女優はデマだから。絶対違うから!信じて!」

必死に訴える。
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