お預け中?
カッコいい言葉とかシチュエーションとか準備していたんだと思うけど。

触れてしまったら最後。

カッコなんてつけらんない。

全然、余裕なんて無い。

彼女との初めてのキスはほんの一瞬。

突然の事で、全く警戒していなかった彼女は唇を離すと大げさすぎるほどの深呼吸を繰り返した。

「・・・ごめん・・・」

確認取らなくちゃいけなかったかな?

「・・・」

まさか嫌だった・・・とか?

不安になって彼女の顔を覗き込む。

「嫌だった・・・?」

恐る恐る聞く俺に、彼女は今まで以上に真っ赤な顔をして固まっている。
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