(仮)BLANK DAYS〜バスケット行脚〜
こんなにザキの近くにいるのに、ザキの顔がまったく見えない程空は黒くなっていた。
いくつかの星と細い細い三日月の微かな光が俺たちを照らした。
うっすら見えたザキの顔はひどく歪んでいた。
俺はザキから降りると、シリモチをついた時についた砂をはたいた。
「なぁ〜。なんでバスケやめるん?」
ザキはそのまま地べたに座り込みあぐらをかいた。
「なんでって……」
俺はその返事をうやむやにするとバスケットボールを探すために近くを歩いた。
ザキはそのまま動く気配もない。
「だって、俺は……バスケやめるつもりやったし」
「はぁ?」
初めて聞いたザキの気持ち。
「なんで辞めるんだよ?お前には高さがあるじゃねーか」
俺にはない高さが……生まれ持った長所がザキにはあるのに。