(仮)BLANK DAYS〜バスケット行脚〜


どこか遊びに行こうもんなら、『教科書持っていきなさい』。


部活中の休憩時間でも単語カードをペラペラめくって
「『覚えろ』って言われてさ」
とジョーが疲れた顔で言っていた。



「ゆくゆくは弁護士になるって決まってるんだ」
とジョーが言ったときには寒気がした。




中学3年生。

15歳しか生きてないのに、ジョーの母親は勝手にジョーの生きる道を決めているのだ。


なんでジョーの将来までを母親に決められなければならないのだろう。


自慢じゃないが俺の親は将来について、一言も言ってこない。


将来何になれなんて言われたこともない。


親は俺に期待なんてしていない。

それは少しだけ寂しいと感じたけれど、ジョーのように期待されすぎても正直困る。


< 34 / 80 >

この作品をシェア

pagetop