恋 文
 

 始まりの時


 君に微かに触れる風は

 雨の匂いがしたのだろうか?


 君を明るく包む光は

 萌える緑の眩しさだったのだろうか?


 君を安らぎ眠りに誘うのは

 優しい母の 乳の温さだったのだろうか?




 六月――





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