さんご=15。
「ぅあ〜… こっわぁ…」
「二人とも、足元気をつけろよ」
「うん!」
足の下、すぐ海
風がけっこう強くて
立ってると ふらふらする
あかりは、タバコ吸ってるみんなの手元と
遠く ――――
たぶん この前見た コンビナートの火だけ
声だけで 誰かいるのを確認する
こわいのに
なんでか少し 落ち着いた…
そのせいなのか、わからないけど
「ねぇ カナ〜」
「ん〜?」
「ヤツさあ…
最近…こないね…」
「え…?
あ〜、カイトさん?
もともと走り以外は
来ないみたいだからぁ」
「そうなんだ?」
「うん〜
梅雨おわって、夏になったら
また来ると思うよ〜」
「夏かぁ…」
「… ねぇミコぉ」
「ん〜?」
「うちさぁ…
あのバイト…もうやめるわ…」
「――― うん…
カナはもう、そのほうがいいよ…」
「ごめんねぇ…
うちが…誘ったのに…」
「ううん…」
「ミコぉ」
「うん」
「…ミコは、まだ 続けるの…?」
「―――… うん」