さんご=15。
「久しぶり」
「うん」
「心配してたんだぜ
チームの奴らも」
「ごめん」
「謝ることじゃねえし」
「うん
でも、もう平気」
「そっか」
電話ボックスのあかり
坂をのぼる
タイヤが鳴った
「固くしてきちゃったから、ごめん」
「ううん」
”ううん”って言ったのは
助手席の、”ユア”って呼ばれた人
反対側の道
クルマ
ものすごい音と
スピード出して、おりて行く
でももしかしたら
カナのココロの音かもしれないと
あたしは…思った…
「着いたよ」
カレシが言うか言わないか
ドアロック自分で外して、カナがおりる
「――― カナ!!」
呼んだけど、戻って来ない…
「…どうしたんだ?!あいつ」
あたしは、カナの後を追った