さんご=15。




「カナぁ!」


小さな広場なのに、すっごい人


笑い声


エンジンをふかす音と
ライトがまぶしい


横に並んでるクルマの間
その奥のほうに座りこむ


泣いてるカナのトコへ
あたしはやっと追い付いた…




「ミコぉ…」




カナは、あたしに抱き着いて泣いた




「あの子ぉ…
アッちゃんのぉ…
マエカノだったらどうしよう〜…!!」


「カナ…!
そんなことないよ!絶対ないから!」


「だってぇ…」


「何いってんだよッ!!カナ!!」




カレシ 来た




「前カノの事は、全部話したろ?!」


「そうだけどぉ…」


「――― あの子も
昔ここに、遊びに来てたんだよ!」


「え…?」




「途中、引っ越して ―――
んで今日、久しぶりに連絡来たの!」


「そ…なの?」


「嘘言ってどうすんだよ…」


「ふ…」




…なんだ


なぁんだ




カナは安心したみたいで
抱き着いて、泣いてる


あたしはそこから離れて
人が集まってるトコに行った




「ミコちゃん!久しぶり!」



男の人



「こんばんはぁ!」


「ミコちゃぁん
お菓子食べる〜?」


「あ!食べまぁす!」


「蚊がいるから入りなよ
かなり狭くて悪いけど」


「おじゃましま〜す」




前にも話しかけてくれた
誰かのカノジョさん


カレシは
ギャラリーのとこへ行ってるらしい


ヒョウ柄のシート
後ろの席には、ぬいぐるみ




「あっはっは
だからカナ、すごい顔して走ってたんだ」


「ハイ」


「仲直りした?」


「ハイ」


「ここはさぁ…」


「ハイ」




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