さんご=15。




「アタシらなんかは
ギャラリー専門だけどさぁ

なんだろ…男とか女とか
カンケーないっていうか
走るの、好きな奴らばっか
集まってるんだよね〜」


「… ハイ」




「街中では絶対
こんな風に走ったりしないしさ」


「そうなんですか?」


「当たり前〜
だって、走るのサイコー好きなんだよ?
免停なったら、走れないじゃん?」


「…ああああ!!そっかぁ!!」


「他は、どうかしんないけど…
ここにいる奴らは、一応ちゃんと
ポリシー持って、やってるし…

――― あ」




ケータイ


ゴールドの、ストラップに名前
”ミユキ”さんは 外を見た




人の群れの中


白いヘルメット


全身おおった、白い革に
赤いラインが入った、ピッタリした服


バイクからおりた”ソイツ”は
メットを脱いで 笑った…



「… カイト、ツナギ着てる
あいつ、今日は本気で走るよ ―――」






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