さんご=15。




窓の外


青い空と 入道雲


セミのこえ




次々に鳴る ヤツの
あたしの知らない、ケータイの音




「――― お〜!無事ぶじ!!
あ?今は自分ち
うん
バッカ!!戦うかよ!
皆ソッコーで逃げたし
うん

おい、ミコ

――― ミコ!!」


「… えッ…」




「カナから」


「――― !!!!」


あたしは奪うみたいにして
ケータイを取った




「カナ!!!大丈夫ッッッ?!」


『ミコぉおおおお!!!
ミコこそ大丈夫ッッッ?!』


「ぅん…」


『うちらのほうは〜
まだスタンドから戻って来る途中で〜
ケータイに連絡きたから〜
それにアッくんのクルマも〜』


「… !!
そうだ… クルマ…!!」


『あッ!あのね〜
キーつけっぱだったから大丈夫だよぉ
アッくんのトモダチが
運転して持って来てくれたし
今、クルマの中だからぁ』


「――― よ…よかったぁ…」


『なんか〜他の地域でも〜
最近ああいうのよく来てて〜
だから一応?用心?してたみたい』


「… そうなんだぁ…
――― あっ」




「つ〜ことで、無事だから
ちょっと別の奴から連絡くっから
うん
ほいじゃまたね〜」




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