____苺の季節____
ブンブン首を横に振って訴えたけど、島ちゃんは変わらず優しく微笑むから、もう諦めて前を向く。


はぁーと心でため息ひとつ。


違うよ、島ちゃん、ハートはいらないよ?


そう思いながら、何故か視界に入る背中が気になった。


斜め前の広い学生服の背中。


変なの。


意識なんかしたくないのに。


変なんだ。


あたし、


あたしね。


入学式の間、

校長先生の話や担任紹介を聞きながら、アイツの背中ばかり見ていたかもしれない。


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