____苺の季節____
「単刀直入に言うけど……、お前さ、大丈夫か?」



先生の目は真っ直ぐだけど、きっと、あたしの目は泳いでる。



大丈夫かと聞かれて、思い当たる事があり過ぎて……。


一体、どれについての【大丈夫か?】なのか分からない。



「えっと…、何の…何の事ですか」



「いや、色々だよ」



え?色々って、だから、何の……。



「鳴海……、あ、進藤が、今日、まだ来てないのは、お袋さんの容態が、その…あれだとかじゃないぞ?


アイツが風邪ひいた訳でもない」


え、そうだったの?


「さっき、朝のホームルームで言ったろ?

寝坊したから遅刻すると俺ん家に電話掛けてきたって」



あー、良かった、良かった。

そうだったのね。



「おい、良かった良かった…と思ってる場合じゃないよ」


「は…、え……、分かるんですか、あたしの心が……」


「お前は、顔に何でも書いてる」




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